巷で流行りのスマートフォン用のウォータークリアケース。
液体が入っていることでケース内のラメが流動して綺麗に見えることから女性に人気のスマホケースである。
その液体入りスマホケースで最近ケースの内側から液体が漏れだし皮膚が火傷するという事例が相次いで報告されているようだ。
その報告を受けて国民生活センターが4銘柄のスマホケースでテストを行い、液体がもたらす皮膚への影響を調べて公開した。
もはや生活の一部となったスマートフォン。
常にスマホ片手に画面を操作する光景も日常茶飯事だ。
スマホケースも多くの人間が使用しているものであり、液体入りのスマホケースは若い女性を中心に利用しているだろう。
液漏れによる皮膚被害も他人事ではない。
液体りスマホケースにどのような危険が潜んでいるのかをしっかり確認しておこう。
スマホケースの液が皮膚にもたらす被害
まず、実際に報告が寄せられた被害を見てみよう。
大きく分けると、「皮膚の被害」と「においの被害」に分けられる。
国民生活センターが公開した被害報告は5件。
2015年6月から11月までで、5件すべてが10代~20代の女性である。
液体入りスマホケースの特性上、利用者は若い女性が多く、当然被害も10代~20代の女性が中心になるようだ。
皮膚のかぶれ
スマホケースからの液漏れにより体に付着した液体で皮膚がかぶれるという事例である。
- 右肩に掛かって皮膚がかぶれた。1週間経っても治らない。
- スマホケースを装着時に破損して液が衣類に付着。1時間後に腹部が痒くなった。衣服を通して液が皮膚に到達したようだ。
皮膚のやけど
スマホケース内の液体により化学やけどを引き起こしたケースである。
- 電車内で液体が漏れ太ももに掛かった。痛みがあり自宅で確認したところ15cmくらい赤く腫れ上がった。病院で火傷と診断された。
- スマホケースを持ったまま寝たら腕が火傷、ケースの枠の形の跡が残った。ケースから異臭がした。
臭いによる被害
スマホケースの液体の「におい」を嗅いでしまったことによる気分障害である。
- スマホを落としたらケースが破損。漏れた液体が変なにおいで気分が悪くなった
テストは4つのスマホケース
国民生活センターが行ったテストで使用されたのは、4つのスマホケース。
それぞれのケースについて、「液体が実際にどのくらい皮膚に被害をもたらすのか」というテストと「危険性に関する表示の有無」が確認された。
全体的なテスト結果については、以下のような評価が下された。
3つが「強い刺激性」「皮膚腐食性あり」、1つが「中等度の刺激性」
液体が人体に影響を及ぼすと注意書きしていたのは2つ
結果を見ると、4つ中3つのケースが何かしら皮膚へ影響があることになる。
そして、人体に影響がある注意書きは4つ中2つにしか存在しない。
つまり、2つのスマホケースは液体の危険性について何も記していないことになる。
消費者が購入の際にリスクを把握できない状態は少々恐ろしいことだ。
スマホケースのテスト結果
テスト方法は、スマホケースの液体をガーゼに付着させて試験動物の無傷皮膚に貼りつけ、経過を観察するというもの。
それでは、国民生活センターが記した4つのテスト結果を見てみよう。
キラキラ ラメ 流れる 星 光る 液体
強い刺激性あり
皮膚腐食性あり
- カラー
- マゼンタ{ハート}
- 価格
- 880円
- 販売者
- (株)アジアインターナショナル
- 法人番号
- 5030001100139
- ケース素材
- 不明
1時間経過ののち以下が確認された。
~72時間後まで
- 皮膚の壊死(えし / 細胞が死ぬ)
- 瘢痕(はんこん / 火傷が治ったときの傷跡)
- 浮腫(ふしゅ / 皮膚の下に水が溜まる状態)
~14日後
- 液体を除去した14日経っても再生しない皮膚症状が確認
注意書き
なし
シューティングスター
強い刺激性あり
皮膚腐食性あり
- カラー
- Star ゴールド
- 価格
- 1180円
- 販売者
- Smile Tree
- 法人番号
- –
- ケース素材
- ポリカーポネート
1時間経過ののち以下が確認された。
~72時間後まで
- 皮膚の壊死(えし / 細胞が死ぬ)
- 瘢痕(はんこん / 火傷が治ったときの傷跡)
- 浮腫(ふしゅ / 皮膚の下に水が溜まる状態)
~14日後
- 液体を除去した14日経っても再生しない皮膚症状が確認
注意書き
ホームページに記載あり
- 人体への影響・・・人体に影響なし。スタッフも確認済み
- 液漏れ時・・・石油の匂いがするので使用を中止すること
- 皮膚付着時・・・記載なし
ホログラム
強い刺激性あり
皮膚腐食性あり
- カラー
- MIX
- 価格
- 2268円
- 販売者
- WONDER LINE(株)
- 法人番号
- 12801010050
- ケース素材
- ポリカーポネート
1時間経過ののち以下が確認された。
~72時間後まで
- 皮膚の壊死(えし / 細胞が死ぬ)
- 瘢痕(はんこん / 火傷が治ったときの傷跡)
- 浮腫(ふしゅ / 皮膚の下に水が溜まる状態)
~14日後
- 液体を除去した14日経っても再生しない皮膚症状が確認
注意書き
同封に記載あり
- 人体への影響・・・検査済みだが扱いに注意。肌に付着すると炎症やかぶれの可能性あり
- 液漏れ時・・・すみやかに使用中止
- 皮膚付着時・・・水で洗い流すこと。異常の際は医者で診察を受ける
夜光流砂 夜光性の砂が流れるラメ入りケース
中等度の刺激性
皮膚腐食性なし
- カラー
- グリーン
- 価格
- 1556円
- 販売者
- BellBreeze
- 法人番号
- –
- ケース素材
- ポリカーポネート
1時間経過ののち以下が確認された。
~42時間後まで
- 浮腫(ふしゅ / 皮膚の下に水が溜まる状態)
~72時間後まで
- 皮膚の壊死(えし / 細胞が死ぬ)
- 瘢痕(はんこん / 火傷が治ったときの傷跡)
注意書き
同封に記載あり
- 人体への影響・・・基本的に影響はないが、アレルギー体質の場合はかぶれる可能性あり。肌に付着すると炎症や変色の恐れあり
- 液漏れ時・・・すみやかに使用中止(ホームページに記載)
- 皮膚付着時・・・石鹸でよく洗い流す
液体入りスマホケースは使わない方が良い?
以上、テスト結果をまとめた。
個人差で液体が皮膚に付着しても問題がないこともあるかもしれないが、成分的には何かしら人体に影響を及ぼす成分が使われているようだ。
そして、それに関する注意書きはあまり注力されていない。
危険性ばかりに目が行くと商品が売れなくなるからかもしれないが、一切注意書きが無い商品もある所が恐ろしい。
類似の商品は多数販売されており、色違いなども含めると相当数の液体りスマホケースが存在することになる。
個人のスマートフォンをおしゃれに装飾したいという気持ちは分かるが、現在の液体入りスマホケースを利用することはリスクが高いと考えられる。
考え方のひとつとして、液体入りスマホケースの利用は当面控えてもよいのではないだろうか?
商品開発が進めば、いずれは安全な素で構成されたスマホケースが誕生するかもしれない。
その商品が世に出てから改めて買えばいいだろう。
または、おしゃれなスマホケースなら他にもある。
違うおしゃれデザインを探してみてはどうだろうか?
もし、どうして液体入りスマホケースを利用するなら液体入りスマホケースには火傷やかぶれ、臭いなどのリスクが潜んでいる可能性があることは覚えておこう
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