虫コナーズCMの高畑淳子が醸し出す普通のおばさん感が秀逸!長澤まさみが近所のお姉さんという設定が羨ましい
2016/09/04
KINCHOの虫除け商品「虫コナーズ」。
ぶらさげるだけで、周囲に虫が寄ってこないというものだ。
出演するのは、女優の高畑淳子と長澤まさみ。
このふたりが出演する虫コナーズのCMは「踏ん張る手篇」と「はずしてみたら?篇」の2種類が存在している。
縁側で繰り広げられる高畑淳子と長澤まさみのやり取りは全て関西弁で行われており、コミカルに描かれている。
虫コナーズのCMは映画のスタッフにより制作されている。
CMを見たことがある人は、邦画に出てくる日本家屋の縁側を舞台とした場面が頭に浮かんだのではないだろうか?
今回取り上げるのは2種類あるCMのうち「はずしてみたら?篇」である。
このCMは、商品の効果に疑問を持つことから始まるという「CMとしてどうなの?」という作りになっている。
そして、高畑淳子と長澤まさみのやり取りにも「クスッ」としてしまうポイントがあった。
見たことが無い人はに一度見てほしいこの一風変わったCMについて秀逸な点やオススメポイントをご紹介しよう。
CM動画を見てみよう
まずはCM動画を見てみよう。
オリコンが公式にYouTubeへ登録した動画なので安心してみてほしい。
出演者と制作スタッフが豪華
「KINCHO 虫コナーズ」CMの出演者は、高畑淳子と長澤まさみという豪華な顔ぶれだ。
この二人はNHK大河ドラマ「真田丸」で、嫁と姑を演じている。
CMは「真田丸」より少し前の時期で、タイミング的に高畑淳子と長澤まさみを選ぶところにセンスを感じる。
また制作スタッフも映画界から豪華起用。
演出に映画「海街diary」で日本アカデミー賞最優秀監督賞の是枝裕和、撮影に最優秀撮影賞の瀧本幹也、照明は優秀照明賞の藤井稔恭がそれぞれ担当している。
完璧な関西弁(らしい)で展開されるストーリー
CMは関西を舞台としている。
長澤まさみは静岡県磐田市の出身で、高畑淳子は香川県善通寺市の出身である。
ふたりは関西弁の練習を重ねて完璧なイントネーションを習得した上でCM撮影に臨んだとのこと。
縁側でのやり取りに加えて関西弁での会話というのも、一層CMに明るいイメージを印象付けているのではないだろうか。
CM全体のストーリーも高畑淳子と長澤まさみのコミカルなやり取りで終始ほんわかとしたものとなっている。
商品否定の切り口と壮大な隠しテーマ?
「虫コナーズ はずしてみたら?篇」は、商品の効果に対する疑問から始まる。
縁側でスイカを食べながら高畑淳子がひと言。
『虫が来るところは見えるけれど、来ないところは見えないんだから、虫コナーズの効き目があるかどうかわからない』
CM導入部が商品否定というのは、それほど多くはない。
当然のことながらCMは広告であり、販売促進のために優秀な面のみを映像化する。
15秒、もしくは30秒という短時間で商品を売り込むCMという広告手法において、虫コナーズは「商品否定」に時間を割くことは、リスクを伴う。
そんなリスクを取っている姿勢は、逆に新鮮に映るのかもしれない。
そして『来るのは見えるが、来ないのは見えない』セリフ。
これは「あることは証明できるが、ないことを証明するのは不可能である」という、いわゆる「悪魔の証明」に通ずるところがある表現だ。
CMを見た視聴者がその類似性に気づくことは少ないかもしれないが、壮大なテーマを縁側でさらっと発するあたりに思わず「クスッ」としてしまう。
「外そうか」という長澤まさみに対して、躊躇を見せる高畑淳子の態度が「やっぱりこの商品は効き目があるのでは?」という雰囲気を醸し出している。
商品否定から入り、最終的に商品肯定の雰囲気に持っていく流れは、まさに「おとなしいちゃぶ台返し」と言えるかもしれない。
高畑淳子と長澤まさみに普通感
高畑淳子の「普通のおばさん感」と長澤まさみの「普通の近所のお姉さん感」が、ごく自然である。
この辺の「自然な普通さ」は第一線で活躍する女優ふたりと邦画で培われたスタッフの力量によるところが大きいだろう。
縁側を舞台にしたCMであれば、この「普通な感じ」はとても重要な要素になる。
そして、この高畑淳子と長澤まさみの「距離感」である。
長澤まさみが『1回外してみたら本当に効いているのかどうかわかる』と言って、つるしてある虫コナーズを外そうとする。
外したら虫が来るかもしれないと躊躇する高畑淳子が外そうとする長澤まさみを阻止。
外そうとする方と阻止する方の「親切なつもりなのか、ふざけているのか、嫌がらせなのかわからないやり取り」が絶妙な雰囲気となっている。
長澤まさみが高畑淳子に『何怒ってんの?』と言い出した時の雰囲気も、「まるで本当に険悪になりそうでもあり、仲が良いからこその軽口なのか」という微妙で絶妙な感じが面白い。
CMはあくまで一般の視聴者に対する商品の訴求が目的となる。
これらの「普通感」「距離感」はCMが好意的に視聴者に記憶され、結果的に商品イメージもプラスになると考えられる。
もちろん単純に「おもしろいCM」を作ることで話題性を意識している面もあるだろう。
最後に「ひと笑」
「虫コナーズ」を取ろうとする長澤まさみと警戒する高畑淳子の動きにオチが付くところが面白い。
長澤まさみの動きを過剰に警戒する高畑淳子。
長澤まさみが動いたところで、虫コナーズが外されることを再び阻止しようと動く高畑淳子。
長澤まさみはスイカをもう一切れ取ろうとしただけであった。
大笑いする類のオチではないが、思わず「クスッ」としてしまう「上品なひと笑」の後にナレーションで商品の詳細説明が入ってCMは終了する。
良作のCMだが虫コナーズって実際に効果あるの?
CMのオススメポイントや秀逸な点をご紹介したが、そもそも虫コナーズって本当に効果あるのだろうか?
以前、某新聞報道の内容に虫コナーズなどの「空間用虫除け剤」に関するものがあった。
報道された内容は、空間用虫よけ剤の表示内容には根拠がなく景品表示法違反にあたるとして消費者庁が販売する4社に対して再発防止措置命令を出したというものである。
つまり要約してしまうと「空間用虫除け剤は効果がないから商品パッケージの表示を直せや!」ということ。
そうなると虫コナーズは虫が来るということになってしまうが本当に効果がないのか?
そんな疑問に答えるかの如く、インターネットに存在する勇者が上半身裸で虫コナーズを体に複数身に着けて公園を歩き回るという実験を行い結果を掲載していた。
そのレポートを見る限り、虫コナーズを装着した勇者の周りには虫が寄ってこなかったそうだ。
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虫コナーズを使用する環境や人によって効果には差があるとは思うが、少なくとも地球の人口70億人以上のなかの1人には効果があった。
夏になり、エアコンが使えない人は窓を全開にし虫コナーズなどで虫除け対策を試してみては如何だろうか?