暇つぶしに最適!他とは違うウェブエンタメマガジン

月10万円で暮らす「世界一貧しい大統領」ホセ・ムヒカの経歴とスピーチ全文

      2016/09/01

世界一貧しい大統領として、日本のメディアで取り上げられたホセ・ムヒカ氏。

2016年4月5日の来日に合わせて、各メディアがこぞって彼を紹介している。
その中でも、ピックアップされるのは

貧しい生活の紹介
世界で称賛されたスピーチ

である。

ホセ・ムヒカ氏の経歴や貧しいと言われる生活、そして世界が称賛したスピーチの全文など、ワイドショーが紹介しなかった部分を中心に紹介していく。

スピーチ全文を読み終えた後、どのような感想を持つだろうか?
きっと「24時間365日死ぬまで働け」という理念を掲げた某経営者兼政治家やこの格差社会を牛耳る存在に爪の垢を煎じて飲ませたいと思うのではないだろうか?

スポンサーリンク

etn_レスポンシブ用

ホセ・ムヒカって何者?

ホセ・ムヒカ(Jose・Mujica)は、ウルグアイの第40代大統領である。

世界一貧しい大統領のホセ・ムヒカ

フルネームは、ホセ・アルベルト・ムヒカ・コルダノ(Jose・Alberto・Mujica・Cordano)。

2009年11月に大統領選で当選し、2010年3月1日から2015年2月までウルグアイ大統領として務めた。

ホセ・ムヒカの生い立ち~大統領就任までの概要

1935年にウルグアイの首都・モンテビデオで貧困家庭に生まれた。
家畜や花売りなどで家計を助けていた。

1960年代、極左都市ゲリラ「ツパマロス」に参加してゲリラ活動を行う。

治安組織との抗争を始め、混沌とした中で彼は6発の銃弾を体に受け、4度の逮捕を経験している。
なお、4度の逮捕のうち、2度脱獄をしている。

1972年に逮捕された際には軍事政権の人質として13年ほど収監されていた。

出所後、ゲリラ仲間と左派の政治団体を結成。

1995年、下院議員選挙で初当選を果たした。

2005年、タバレ・バスケス大統領の下で農牧水産相として入閣。

2009年度の大統領選挙で元大統領のルイス・アルベルト・ラカジェ氏を決選投票で下し、第40代大統領となった。

ホセ・ムヒカの政策

左翼ゲリラ出身のホセ・ムヒカ前大統領は人工妊娠中絶や同性結婚など先進的な政策を推進していった。

また、青少年の犯罪抑制を目的に、大麻の購入や栽培を合法化した。
密売をなくすことで麻薬組織の撲滅を狙い、また粗悪な非合法麻薬の乱用を防ぐという主張であった。

事前登録した18歳以上の国民に鍵って大麻の購入や栽培が認められ、購入は1か月あたり40グラムまで、栽培は、480グラムまでと定められた。

当時政府は「吸引目的の外国人客を誘致する意図はない」としていたが、外国人への販売が厳密に管理できるのか疑問視する声もあったようだ。

世界一貧しい大統領のエピソード

ワイドショーなどで散々紹介されているが、ホセ・ムヒカ前大統領が世界一貧しいと言われる所以を紹介する。
この辺りはテレビで散々取り上げられたので簡単にする。

資産は車のみ

ホセ・ムヒカ前大統領の個人資産は次の通り。

  • フォルクスワーゲン・タイプ1(ビートル)
  • トラクター
  • 農地
  • 自宅

自宅は首都郊外にあり、質素な住宅である。

給料の9割を寄付

大統領としての給料は、日本円で月100万円ほどだが、その9割を寄付。

水道はナシ

水道は無く、井戸から水を汲んでいる。

銀行口座ナシ

銀行口座などは保有していないそうだ。

なぜ貧しい生活をするのか?

ホセ・ムヒカ前大統領が何故このような生活を送っているのか?

国民の平均月収が6~7万円のなかで、大統領の給料は100万円ほどでった。
要するに裕福な生活をするだけの収入はあったのだ。

ところが彼は「環境に合わせて生活を変えると国民目線で物事が考えられなくなる」為に、あえて裕福な暮らしはしていないそうだ。
そのため、給料の9割を寄付し、月に10万円程度で郊外の質素な邸宅で暮らしているのだ。

日本の全政治家に爪の垢を煎じて飲ませたい。

このような考えが根底にあって、「リオ会議」によるスピーチが称賛を得ることになったのだろう。

「リオ会議」でのホセ・ムヒカによるスピーチ全文

「世界一貧しい大統領」ことホセ・ムヒカ前ウルグアイ大統領が2012年、ブラジルのリオデジャネイロで開催された「リオ会議(Rio+20)」で行ったスピーチが世界で絶賛された。
YouTubeにアップされて爆発的に広まり、賛同を得た。

ここで、ホセ・ムヒカ前大統領が行ったスピーチの全文を書き起す。

ワイドショーなどでは、スピーチのほんの一部を切り出しているためホセ・ムヒカ前大統領の想いや考えなどが伝わりにくい。
全文を読んで、彼の発言を各々で考えてみては如何だろうか?

ホセ・ムヒカ前大統領もスピーチで語る通り、彼の言いたいことはシンプルだ。

スピーチ動画

スピーチ全文

会場にお越しの政府や代表の皆さま。
ありがとうございます。

ここに招待いただいたブラジルとディルマ・ルセフ大統領に感謝いたします。

私の前に、ここに立って演説をした快きプレゼンテーターの皆さまにも感謝いたします。

国を代表するもの同士、人類が必要であろう国同士の決議を議決しなければならない素直な志をここで表現しているのだろと思います。

しかし、頭の中にある厳しい疑問を声に出させてください。

午後からずっと話されていたことは持続可能な発展と世界の貧困をなくすことでした。

私たちの本音は何なのでしょうか?

現在の裕福な国々の発展と消費モデルを真似することでしょうか?

質問をさせてください。

ドイツ人が一世帯で持つ車と同じ数の車をインド人が持てばこの惑星はどうなるのでしょうか?

呼吸をするための酸素がどれくらい残るのでしょうか?

同じ質問を別の言い方ですると、西洋の富裕者会が持つ同じ傲慢な消費を世界の70億~80億の人が出来るほどの原料が地球にあるのでしょうか?

可能ですか?

それとも別の議論をしばければならないのでしょうか?

なぜ私たちはこのような社会を作ってしまったのですか?

マーケットエコノミーの子供、資本主義の子供たち

間違いなく、私たちがこの無限の消費と発展を求める社会を作ってきたのです。

マーケット経済がマーケット社会を構築し、このグローバリゼーションが世界のあちこちまで原料を探し求める社会にしたのではないでしょうか?

私たちがグローバリゼーションをコントロールしていますか?

あるいは、グローバリゼーションが私たちをコントロールしているのではないでしょうか?

このような残酷な競争で成り立つ消費主義社会で

「みんなの世界を良くしていこう」

という共存共栄な議論は可能でしょうか?

どこまでが仲間でどこまでがライバルなのでしょうか?

このような発言をするのはこのイベントの重要性を批判する為のものではありません。

その逆です。

私たちの前にある大きな危機は環境問題ではありません。

政治的な危機問題なのです。

現代においては、人類が作ったこの大きな勢力をコントロール出来ていません。

逆に人類がこの消費社会にコントロールされているのです。

私たちは発展するために生まれてきたのではありません。

幸せになるためにこの地球にやってきたのです。

人生は短いし、すぐに目の前を過ぎていきます。

命よりも高価なものは存在しません。

ハイパー消費が世界を壊しているにも関わらず、高価な商品やライフスタイルの為に人生を放り出しているのです。

「消費が社会のモーター」の世界では、私たちは「早く、多く」の消費をしなければなりません。

消費が止まれば経済が麻痺し、経済が麻痺すれば不況という名のお化けが皆さんの前に現れるのです。

このハイパー消費を続けるためには商品の寿命を縮め、出来るだけで多くを売る必要があります。

ということは、10万時間使える電球を作れるのに、1000時間で切れる電球しか売ってはいけない社会に居るのです。

そんな永く持つ電気はマーケットに良くないので作ってはいけないのです。

人がもっと働くために、もっと売るために

「使い捨ての社会」

を継続しなければならないのです。

悪循環の中にいることをお気づきでしょうか?

これは紛れも無く政治問題であり、私たち首脳はこの問題に対する別の解決策で世界を導かねばならないのです。

石器時代に戻れとは言っていません。

マーケットをまたコントロールしなければならないと言っているのです。

私の謙虚な考え方では、これは政治問題です。

過去の賢明な人物、エピクロス、セネカやアイマラ民族までこんなことを言っているのです。

『貧乏な人とは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ』

これはこの議論にとって文化的なキーポイントだと思います。

国の代表者として、そのような考えでリオ会議の決議や会合に参加しています。

私のスピーチの中には耳が痛くなるような言葉が結構あると思いますが、皆さんには水源危機と環境問題が根源ではないことをわかってほしいのです。

根本的問題は、私たちが実行してきた社会モデルなのです。

そして、改めて見直さなければならないのは、私たちの生活スタイルであるということ。

私は環境資源に恵まれている小さな国の代表です。

私の国(ウルグアイ)には300万人ほどの国民しかいません。

それでも、私の国には世界で最も美味しい牛が1300万頭もいます。

ヤギも800万~1000万頭くらいいます。

私の国は、食料の輸出国です。

こんな小さい国なのに領土の90%が豊富な資源を持っています。

私の同志である労働者たちは8時間労働を成立させるために戦いました。

そして今では、6時間労働を獲得した人もいます。

しかしながら、6時間労働になった人たちは別の仕事もしており、結局は以前よりも長い労働時間になっています。

なぜか?

バイク・車などのリボ払いやローンを支払う必要があるからです。

毎月2倍働きローンを支払っていたら、いつの間にか私のような老人になっているのです。

私と同じく幸福な人生が目の前を一瞬で過ぎてしまいます。

そして自分にこんな質問を投げかけます。

『これが人類の運命なのか?』

私の言っていることはとてもシンプルです。

発展は幸福を阻害するものであってはならないのです。

発展は人類に幸福をもたらすものでなくてはなりません。

愛、人間関係、子供へのケア、友人を作る、必要最低限のものを持つこと

幸福が私たちの最も大切なものだからなのです。

環境の為に戦うのであれば、幸福こそが環境の一番大事な要素だということを覚えておかなくてはなりません。

ありがとうございました。

「世界で一番貧乏な大統領」の絵本

ホセ・ムヒカ前大統領のスピーチを読んでどう思ったのだろうか?
格差社会と呼ばれる今、多くの日本国民は共感すると思う。
もちろん、「勝ち組」と呼ばれる存在は否定派が多いのかもしれないが。

さて、「リオ会議」におけるホセ・ムヒカ前大統領のスピーチについて紹介した絵本が発売されている。

これは、2014年3月に発売されると爆発的に売れたようだ。

「資本主義社会」である日本において、ホセ・ムヒカ前大統領のスピーチを紹介した絵本が売れるということは、少なからずこの物質社会に閉そく感を覚えている国民が多いのだろう。
そして、彼のスピーチに共感したからこそ、その内容を子供や孫に伝えたいという意図で購入する人が多いのではないだろうか?

一度、この絵本を手にとっては如何だろうか?

 - 特集・まとめ , ,